小学校受験と「お手伝い」について

お受験の準備期間中は、お手伝いをさせると良いとよく言われると思います。お教室でもお受験本でも必ず言われますし、実際に面接などでも「お手伝いはしていますか」という質問は頻出です。

確かに、細かい作業は巧緻性の練習にも繋がりますし、毎日決まった習慣をこなすのは勉強をコンスタントにこなすことの素地にもなります。でも、「お受験に出るからお手伝いする」というスタートは、どうしても続きませんし、期待できる効果は得られないことも体験しました。

「◯◯やった?」という母親からの日々の質問やプレッシャーは、ただお手伝いのやる気を失うだけでした。

そこで、我が家では、お手伝い=「家族の立派な一員であること」とし、お手伝いができることは、これまで赤ちゃん、幼児だった時代が終わり、お兄ちゃん、お姉ちゃんとしてお父さんとお母さんが認めた証であることを伝えました。同時に、これらが滞ると、生活の流れが乱れるため、とても重要な役割であることも認識させました。

そして、今。受験が終わり、お手伝いを始めてから一年以上ですが、この「お手伝い」は今でも続いています。
そして、所謂受験においてもこのお手伝いは随所で役立ちました。
お手伝いが見についたコツと、どのように役立ったかをご紹介します。

【お手伝いが身についた3つのコツ】

コツ① お手伝いは自分で選ばせ、「◯◯隊長」に任命

一通りのお手伝いと呼ばれるものを体験させた後、自分で「これをやりたい!」と言わせるものを、「◯◯隊長」として任命させました。
我が子は「お風呂掃除」を選びましたので、「お風呂隊長」と任命し、特に最初は「隅が甘いな…」と思うこともありましたが、そこは注意せず、できた部分をとにかく褒め、お風呂掃除に関しては、彼女に任せることにしました。
次第に、隊長としての自覚も大きくなり、細かいところを掃除するための道具がほしい、と言ったり、お風呂掃除に加え、お風呂を沸かす作業までを一連でやってくれるようになりました。

コツ② ポイント制にし頑張った証を見える化、ご褒美はガチャ

1回のお掃除につき、1ポイント、ポイントが溜まったらご褒美、というシステムも導入しました。挫けそうになった時の励みになること、また、頑張ったことを見える化し、自信を持たせるために、洗面所にポイントシール台帳を貼っておきました。
我が家はご褒美はガチャ。中には、小さい玩具を入れたり、◯◯券を入れたり。子供はガチャガチャが好きなので、これを楽しみに頑張りました。

初期の頃のシール台帳。お風呂隊長に任命してからはお風呂のみに。


実際にこれと同じものを購入し、使用しました!

コツ③ 決まった時間にお手伝いのアラート。アレクサが大活躍

自ら毎日決まった時間にお手伝いに取り掛かれたらいいのですが、5歳、6歳には結構難しいことが多いです。そのため、どうしてもお母さんが「◯◯やった?」といいがちです。そうすると、やろうと思っていたやる気を失ったり、お手伝いが苦になってしまいます。お母さんが毎日機嫌良くおだてるのも現実的に難しいでしょう(苦笑)
我が家で活躍したのは「アレクサ」毎日17時50分になると、アレクサが「◯◯さん、お風呂隊長の時間ですよ!」と教えてくれるように設定し、我が子はこのアレクサのリマインドにより、やる気を損ねず、ひたすら決まった時間にお風呂掃除をしてくれました。

【お手伝いが受験に役立ったポイント】

ポイント① 面接での応用が効く

「お手伝いはしていますか」「お手伝いが何をしていますか」の質問はもちろん「今頑張っていることは何ですか」「どのように頑張っていますか」などの質問にも、娘は「お風呂掃除」「服が濡れないようにどのようにお風呂をきれいにできるか工夫しています」などとある学校の実際の面接で答えました。
他にも「頑張っていること」の答えとしては用意していましたが、本当に娘が自ら工夫して頑張っていたことなのでしょう。オリジナリティがあって良かったと思います。

ポイント② 絵画にも役立つ

決まったお手伝いを繰り返していると、「お手伝いの絵」「毎日していることの絵」「がんばていることの絵」などのお題にも、かなり詳細を描写することができます。
お風呂掃除に関しては、隅っこを掃除している時の足の曲げ方やお風呂掃除スプレーの商品名まで(笑)を記憶しているため、それをすぐに絵にすることができ、絵画にお決まりの「これはどんなことをしているの?」などの先生の問いにもスラスラ応えることができます。

ポイント③ 家族の一員としての自覚が根付く

小学校受験は、家族で始まり家族で一緒にゴールするものだと受験を経験して実感しました。そのため、若干5、6歳である子供も、その家族というチーム、チームとしての一員である自分という自覚を持っておくのとそうでないのとでは、結果にも差が出てくると思います。「家族というチームのために自分はどんなことをすれば良いか、頑張れば良いか」その一つがお手伝いという役目であり、それを全うすることが、自分という存在の意識と自信、チームへの貢献感を与えられるのではないでしょうか。
面接では、お父さん、お母さん、子供という個々よりも、家族としての全体感をより見られると思います。
それは、取り繕って面接用に準備されたものは見透かされてしまいます。日頃から、家族としてどう向上していくか、それを子供がどれだけ認識しているか、我が家のそのきっかけは「お手伝い」の任命だったと思います。