私立国立小学校のメリットデメリット

志望校を決定するのに、まずは、「私立・国立小学校のメリット」を心得ておく必要があります。
東京には私立小学校が54校、国立小学校が6校あり、各小学校によって、それぞれの特徴がありますが、ここでは大きく、私立、国立の枠組みでそのメリット・デメリットを紹介します。

【私立小学校のメリット】

①教育カリキュラム、設備が充実

私立小学校は、それぞれの学校の教育理念に基づき、独自の教育カリキュラムが組まれています。私立の学校はビジネスと同じですから、その学校の生徒がより優秀な生徒に成長し、新たに多くの生徒を集めていかなくてはいけません。カリキュラムもその時代に合わせ、常に良いものに作り変えられており、最近では、プログラミングの授業を取り入れた学校なども出てきています。
また、最新のICTに対応したり、広くきれいな設備が整っているのも、私立小学校の魅力です。

②子供への教育、しつけが行き届いている

生徒一人ひとりが、学校の看板を背負って毎日通学しています。一度外に出ると、「◯◯学校の子供は…」という目で見られるため、電車でのマナー、基本的なしつけなど、学校側の指導も公立に比べ、熱心な学校が殆どです。
また、勉強面でも、できない子のフォローもしっかりし、全体的な学力の向上を目指す学校が多いため、塾での補填をする必要がないことが多いようです。

③内部進学ができる

小学校のシステムによって違いはありますが、付属の中学、高校、大学がある学校の場合は、そのまま内部進学ができることも魅力の一つです。
特に中学受験は、小学校3年生から塾通いし、受験勉強を3年間以上することになります。私立小学校に進学すれば、その時間をより他の自分の好奇心があるもの(習い事など)に注げると考え、私立小学校への進学を希望される親子さんもいらっしゃいます。

【私立小学校のデメリット】

①費用がかかる

学校によってかかる費用は様々ですが、一般的に私立小学校は学費が高いです。総じて年間60〜120万円の学費がかかります。ここに交通費などがプラスされ、場合によっては、私立大学生と同じくらいの費用がかかる学校もあります。これが6年間続くため、家庭の経済状況に余裕がないと難しいかもしれません。
私立小学校に通わせる過程の年収は1200万円以上の家庭が45%を占めているようです。
ただ、中学受験をするにも3年生から月5万円前後の金額がかかると考えると、これを高いと考えるかどうかは、ご家庭の判断になります。

②宿題が多く、塾や習い事との両立が厳しい

私立小学校は宿題が多い学校が殆どです。授業の時間が公立と比べ1日につき1時間程多い学校も多く、プラス宿題をこなすとなると、塾通いや習い事に通える余裕がなくなってしまいます。
その分、塾に行かなくても十分な学力が身につけられ、課外学習なども豊富なカリキュラムがある私立小学校を賢く選択することも大切です。

③温室育ち、視野が狭くなる

中学、高校、大学受験を経験することはそれぞれ大変なことも多いですが、それを乗り越えることによって強さが身につくことは間違いありません。
一方、小学校受験を終え、そのままストレートに大学までいける環境で育った子供は、逆境に立ち向かう経験がなくそのまま社会人となり、初めて挫折し、乗り越えられない、というケースもあるようです。また、小学校から同じ人間関係で何十年も過ごすため、視野が狭くなることも懸念される1つです。小学校によっては、システムにより中学、高校、大学受験をする学校と様々あるため、「中学校受験は避けたいけれど、大学受験は経験させたい」など家庭での方針を固め、学校選びする必要があります。

【国立小学校のメリット】

①新しい授業法で学べる

国立小学校は教育研究の場です。新たな教育の実験を授業内で行うため、常に新しい授業法で学べることができます。また、いじめ対策の最新の研究なども授業に取り入れているため、公立などに見られる学級崩壊などの心配も少なくなります。しかし、中学受験対策の授業や、中高一貫による中学校の授業の先取りなどは一切ないため、中学受験のためのハイレベルな授業内容は期待できません。学力を身に着けたい場合は、私立を選択、もしくは、公立+塾での学習の方が合っています。

②私立小学校に比べて学費が安い

国立小学校は、授業を受けるための学費は不要です。授業内容に合わせ、副教材費、行事費などがかかりますが、それでも年間10〜15万円程度。私立小学校に比べると格段に安いため、その分受験者数が多く、競争率が高くなります。(国立小学校の倍率は30〜70倍)

③難関の附属中学、高校へ上がれる可能性がある

東京の国立小学校は、筑波大学附属小学校、お茶の水女子大学附属小学校、東京学芸大学附属大泉小学校、東京学芸大学附属小金井小学校、東京学芸大学附属世田谷小学校、東京学芸大学附属竹早小学校の6校ですが、それぞれの中学、高校も難関とされる中学、高校です。
それぞれの学校で、その先の進路の条件が変わってきますが、中学校まではどの学校も内部からの進学ができるようになっています。もちろん全員が無条件で進学できるようにはなっていませんが、それでも外部よりは少し入りやすい条件で進学できるのもメリットです。(ほとんどの児童は学校以外に受験塾に通い、内部、外部対応できるように対策している前提です)

【国立小学校のデメリット】

①私立に比べて校舎や設備が整っていない

寄付金や設備費などを徴収する私立に比べると、校舎や設備が整っていないことは当たりまえです。
国立の中にもそれらの優劣はありますが、殆どの学校に冷暖房は設置されていないため、校舎は古い、暗い、寒い(暑い)などの環境となります。

②基礎学力は家庭や塾で身につける必要がある

Copyright Paylessimages,Inc. All Right Reserved.

あくまでも、大学の研究校であるため、授業は学力を養うという点に重きを置いていません。
ベテランの教師が多いものの、独自の授業を行う傾向があり、教科書を使わない先生や、また、公立の生徒が1年で終わらせる教科書を終えずに終了となってしまうこともあるようです。
基礎学力や応用力は、家庭学習、塾で身につけていかなければいけない点は十分理解しておかなければなりません。
成績表がない学校もあり、我が子の学力の位置付けを塾などを利用しながらフォローする必要があります。

③親が協力しなければいけない行事などが多い

上記の学習面での親のフォロー以外、PTAなどの活動も活発なため、親が学校に訪問する回数も多いです。ワーキングマザーだと、仕事との両立が大変なようで、家族と職場の理解を得ることも必要なようです。

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。お受験と言っても、その先の私立、国立の小学校は性質が大きく異なることが多いです。もちろん、それぞれの学校も各学校ごとによってまたそれぞれ違うカラーや特徴があります。

更に詳しく学校のことを知りたい&調べたい方へお勧めの書籍はこちら▼▼▼

プレジデントFamily日本一わかりやすい小学校受験大百科2019完全保存版 (プレジデントムック)

新品価格
¥1,620から
(2019/2/20 22:00時点)

国立小学校合格バイブル

新品価格
¥1,620から
(2019/2/20 22:02時点)

私立・国立小学校合格マニュアル入試準備号 首都圏 2019年度

新品価格
¥2,916から
(2019/2/20 22:02時点)

名門も、難関校も!小学校受験を決めたら

新品価格
¥2,700から
(2019/2/20 22:02時点)

小学校受験で知っておくべき125のこと―学校選びから合格までまるわかり!

新品価格
¥2,808から
(2019/2/20 22:03時点)

小学入試情報〈2019〉

新品価格
¥3,240から
(2019/2/20 22:03時点)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。