小学校受験対策することのメリット・デメリット

私立、国立小学校へ進学することを検討するにあたり、まず考えるのが、それらを公立小学校とくらべてのメリット・デメリット。ただ、私立、国立の小学校に進学するためには、「受験」という関門を突破する必要があり、そのためにお教室通いや親子での対策が必須です。

ここでは、あくまでも、受験の合否、進学先に関わらず、それらを目指すことの「メリットデメリット」を紹介します。
※私立、国立小学校の進学のメリット・デメリットは別ページでご紹介しています。
http://shougaku-juken.com/?p=76

【幼稚園児が受験対策することのメリット】

小学校受験の対策を始めるのは遅くても年中の11月、丁度試験本番の1年前と言われています。早い子は年少になったばかりの頃から、所謂「お受験教室」に通い2年半後の本番に備えています。
中には、そんな小さな子供に勉強をさせて…と思われる方もいると思いますが、「お受験」の中身を理解すると、メリットを感じてもらえることも多いかもしれません。

①親子の触れ合い、会話が必然と多くなる

小学校受験の試験内容は、生活に関わる問題が頻出されます。季節ごとの行事や動植物、食べ物、生活習慣や社会的ルール、常識など、日頃よく目にし、体験していることから出題されるため、何気なく過ごしている毎日にヒントがたくさん隠されているわけです。
例えば、毎日通園している通り道に咲いている花を見て、「この花はなんだっけ?他に夏に咲く花は何だ?」「このカレーの中の人参のように、土の中にできる野菜は?」「こっちから風が吹いたら、この旗はどっちになびくと思う?」など、出題内容から、日々の親子の会話が膨らむことは間違いありません。きっかけや、目的は小学校受験かもしれませんが、4、5歳の子供が、こうしてお父さん、お母さんとコミュニュケーションを取ることは知識が定着するだけでなく、何より心の満足と成長に繋がります。感受性が育つ一番大切なこの時期に親子でこの触れ合いが持てるのは、小学校受験の魅力の一つです。

②子供の特徴がよくわかる

最近の小学校受験で特に配点が高くなっている一つに「集団行動観察」というのがあります。これは、数名のグループで一つのお題が出され、それを全員でどう取り組み、個々にどういう役回りをするか、という点を評価しています。
もちろん、幼稚園などでの参観や日頃の我が子の友達付き合いから、ある程度の子供の特徴や性格などはわかっているつもりでも、お教室や模擬試験などの場でいつもとは違うお友達の中での「意見を言う」「その場での立ち回り」をリアルに目の前にでき、改めて我が子の人間関係における特徴などを見出すことができます。またお教室では、その特徴から、女子校、共学、学校の特徴に併せて、我が子に合う学校のアドバイスをいただけることもあります。

③就学前準備ができる

幼稚園や保育園では、あまり「しつけ」や「お行儀」などを口酸っぱく言及されることはないと思いますが、お教室に通った場合、それらを先生から注意されることも多くなります。親も、家庭でこれまでは気が向いた時にしか注意しなかったお箸の持ち方や姿勢など、毎回注意して見るようになるため、自然としつけ、お行儀が身につきます。
また、ペーパー問題で「ひらがな」「数字」などは殆ど使用しませんが、ものの名前の暗記、足し算、引き算(中には割り算)の概念を用いた問題に沢山触れるため、どこの小学校に進学するにせよ、小学校での勉強の準備には十分な内容を身につけることができます。

【幼稚園児が受験対策することのデメリット】

デメリットもあります。ただ、それをデメリットと感じるかどうかは家庭次第であり、また工夫次第でそれらを緩和することもできるので、その方法もご紹介します。

①とにかくお金がかかる

幼児教室は、3〜10万円/月が平均です。年長になり、夏期講習、直前講習などを受講すると、大手の場合、1日1〜3万円の出費となり、お教室費用だけでも、年間100万円前後となる家庭が多いようです。お教室以外、家庭での学習テキスト、受験用の親子スーツ、試験費用、授業中の親のカフェ代など、総額で200〜300万円、受験対策のためにお金がかかるのが現状です。
もちろん、一切お教室に通わず、家庭学習で対策される方もいますが、上記の集団行動観察、マットなどを使った運動対策などのためにはやはりお教室に通われた方が無難です。
家庭学習でのテキストや知育グッズは、フリマサイトなどを使い、必ずしも新品を使わなくても良いものはそれらを利用するのも節約ポイントです。

②遊ぶ時間が削られる

これは、各家庭の教育方針にもよりますが、特に直前期は、風邪予防も含め、幼稚園をお休みされるご家庭も多くなります。
幼稚園→お教室(週2回)もちろん、他のお子さんとは遊ぶ時間が少なくなってしまうことは否めません。ただ、お教室でも違うお友達に会える楽しみとして認識できれば、遊ぶ時間が少なくなっても、子供にとってはストレスなく、教室通いができると思います。
小学校も、勉強ばかりしてきたまじめな子供ではなく、勉強も遊びも楽しめる子供らしい子供が欲しいはずなので、一切の遊びを断つことはとても危険です。
メリハリをつけ、遊ぶ時は思いっきり遊ばせる、それも親の務めです。

③中にはストレスに感じてしまう子も

特に女の子の場合「受からないと…」と親の顔を見てプレッシャーに感じてしまう子もいるようです。中には、チックになったりお腹が痛くしまう子も。
お受験対策に取り掛かると、どうしても我が子を周りと比べてしまい、「どうしてできなの」「◯◯ちゃんはできていたよ」などと言ってしまいがちですが、「小学校受験はほぼ親が決めた」ということを忘れず、責めるような言葉はかけないように注意したいものです。
公立に進学することになった場合、どのように子供に伝えるかなど、事前に家庭で話し合い、受験によって子供が傷つかないように取り組んでください。

【まとめ】

何事にもメリット・デメリットはありますが、小学校受験に関しては、それぞれの影響力が非常に大きいものなので、家族でよく話し合い決めてください。
また、何となく始めて子供が意外に楽しそうだから…という成り行きで受験間近まで迎える方もいらっしゃいますが、私立、国立小学校での6年間の生活のメリットデメリットも併せて検討されることをお勧めします。

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