面接対策
小学校受験はほとんどの学校で面接があります。
中には、慶應幼稚舎、筑波大学附属小学校など面接が一切ない学校もありますが、その場合も併願校には面接がある学校の方が多いため、対策は避けては通れません。
基本は、事前に提出した願書やアンケート、面接用資料などを元に進行することが多いですが、それ以外、よく聞かれる内容、その学校での頻出内容などの対策を十分にし、挑むことが大切です。
<面接のパターン>
・親子(両親+本人/両親のどちらか+本人)
これが一番多いパターンです。
志望動機、教育方針などはどの学校でも頻出ですが、子供に問いかけをした後、その内容に準ずる内容を両親に質問したりする流れも多いです。
例えば、「お休みの日にはどんなことをしていますか?」という子供への質問に対し、「先程お子様はお父様と公園に行かれるとおっしゃっていましたが、公園に行くまではどのようなお話をされることが多いですか」「公園以外、お子様とご家族で行かれるところはどんなところですか」などといった感じです。
学校によっては、10数分の間の面接時間にお題を与えられて両親と子供の会話や普段の接し方などを採点される場合もあります。
お題としては、「3人で年末の大掃除をすることになりました。そこで役割分担を決めるのにここで3人で話をしてみてください。」「この絵本のこのページを見て、普段絵本を読んでいる時の様子で3人で話をしてみてください。」などといったような内容です。
このような内容は、どんなお題が与えられるか想定ができないので、日頃から3人での掛け合いの際には、それぞれがどのような役回りで話すのか、言葉が出てこない時には、どのように相槌をするか、などそのようなことを決めておくのが良いかもしれません。
また、両親が面接の内容に答えている時の子供の態度や姿勢なども注意が必要です。自分が答える番ではないからと姿勢を崩してしまったり、キョロキョロしてしまう子どもも多いですが、長い時間でもきちんと待っておけるかどうか、そこも採点の基準となります。
・両親のみ
続いて多いのが両親のみのパターンです。
両親のみのパターンは、親子面接と比べると少し圧迫面接的な空気になる学校もあるようです。例えば述べた志望理由や教育方針に対して、「なぜ、どうして」などの深掘りや少し矛盾しているところを突かれたり…などのようです。
子供がいない分、子供のことは両親の言葉でのみしか伝えられないため、できるだけ具体的に、その子どもが絵に浮かぶような内容や話し方の工夫が必要です。
・子供のみ
所謂面接会場に子供のみ呼ばれての面接をする学校はほとんどないようです。ただ、行動観察の中で一人ひとりに声をかけ「今日のご飯は何だったかな?」「幼稚園ではどんな遊びをしているの?」などの質問をされることがあり、通常の面接と違い、面と向かっていない場合が多いため、
・質問された人の方に姿勢を向ける
・きちんと質問さっれて人の目を見る
・作業をしていた場合は一旦作業を止める
など質問の答え以外に上記のような所作も非常に大切になってくるため、このような質問をされる可能性のある学校対策では、同じような状況を作り、姿勢のとり方などに慣れて置く必要があります。
<面接の練習>
面接の練習は、9月以降本格的に始めましょう。それまでは、家庭での教育方針などや志望動機を固めたり、願書の下書きを完成させる時間に充て、面接の内容とリンクできるようにしておきましょう。そこが曖昧なまま面接の練習を始めてもほとんど意味がないため、反対にそれまでには、上記の内容を夫婦でしっかりと話し合えるようにしておくことが大切です。
面接の練習に役立つものとしては、
①面接容のDVDを見る
②模擬面接をしてもらう
③自分たちの面接をビデオで撮る
の3つが挙げられます。
①に関しては、数は多くありませんが、小学校面接のDVDがいくつか発売されています。どんなことが質問されるかも大事ですが、DVDでは面接の雰囲気が唯一知れる材料となります。これは書籍だけではどうしてもわかりづらいので、一度は家族全員で見ることをお勧めします。第三者的に面接全体を俯瞰することで、自分の立ち振舞いや家族全体としての雰囲気をそのように作るべきかを考えられるきっかけとなります。
②模擬面接は、多くのお教室が実施してくれます。志望校に合わせた面接スタイル、面接内容で対応してくれると思うので、実施されている場合はぜひ参加しましょう。(多くの場合は費用がかかります)ここで注意しなければいけないのが、教室によっては、日頃授業をしてくれている、顔なじみの先生が模擬面接官となる場合です。その場合、どうしても緊張感が薄れてしまい、本番のような練習ができかねる場合があるので、選べる場合は、他の日頃接触のない先生に頼むことも大切です。
模擬面接では、教室のノックの仕方、部屋への入り方、お辞儀の仕方、そのあたりまでチェックしてくれるので、ここで吸収するのが良いでしょう。
③自分たちの模擬面接の様子をできればビデオで撮り、改めて反省会をすることをお勧めします。これは、自分ではなかなかわかりづらい話している時の表情や手の動き、家族とシテのまとまり感などをチェックするのに最適です。
自分では一生懸命話しているつもりでも、同じことを繰り返していたり、話が長かったりするものです。
模擬面接でビデオを取って良い場合などはそれを元にブラッシュアップしたり、おじいちゃん、おばあちゃんに協力してもらい面接官の役をお願いし、家族や両親面接の映像を撮るのも良いでしょう。
<たかが面接、されど面接>
面接はあまりにも学校の意向にそぐわない家庭をスクリーニングするだけ、ということを言われることもありますが、実際は面接で加点、減点をされていると思って挑みましょう。実情は学校のみが知るばかりですが、あまりにも準備不足、リラックスしすぎているのは、相手の学校の心象もよくなく、考査でボーダーラインに立った時に圧倒的に不利になることは間違いないでしょう。
きちんと答えられるか、間違えないか、というよりも、ドアを開けた瞬間に醸し出す「本気である雰囲気」、終始「誠心誠意に対応する姿勢」を大切にしましょう。