小学校受験の試験内容<絵画>


小学校受験の考査の中には絵画がある学校があります。
出題頻度、割合としては、ペーパー≧行動観察>運動・体操>工作>絵画であるため、受験校の中に絵画・制作がなければ対策する必要はないでしょう。
ただし、志望校の中にこれらが出題される場合は、「差」が出る1番の項目でもあると言って良い項目のため、きちんとした対策をする必要があります。

【小学校受験における絵画】

毎年、慶應義塾幼稚舎、早稲田実業学校初等部では絵画が出されます。両校を検討しているご家庭は必ず、絵画教室、もしくはお教室の絵画コースを受講されると良いでしょう。
それら教室では、小学校受験における絵画の「コツ」を教えてくれます。
小学校受験における絵画は、いかに綺麗に描けるか塗れるかなどという美術的な技術ももちろんですが、それよりももっと評価しているのは絵画を通した「想像力」や「知識」「経験」という点を見ています。

幼稚舎では「想像画」の出題が多いです。
絵画の時間に下記のような内容の音声が流れる
ー消防車が道路を渡る音、周りで車やバスなどの乗り物の音ー

①「今の音から思い浮んだ道路の絵を描いて下さい。」
②「今の音にはなかった自動車の絵を描いて下さい。」

このお題では、まず①で想像力が必要になってきます。普段の生活での知識と知恵を総動員させ、音だけからその一場面を絵にする想像力で絵を完成させていきます。
そして②では、音から得た情報から知識の量を測っています。
このように、ただ単純に線が綺麗にかける、色が丁寧に塗れる、などだけの技術だけでは決して立ち打ちできないお題が出題されるのです。
想像力を高めるための「読み聞かせ」などが絵画にも活きてきます。

早稲田実業初等部では、よく生活習慣を絵にするお題がよく出されます。例えば「お手伝いをしている絵を書いてください」「お母さんと一緒によく作る料理の絵を書いてください」などのようなお題に対応できるだけの経験が必要になってきます。

絵画教室、お受験塾の絵画コースでは、そのような特殊なお題、受験のプロが作成した過去問の類似問題に慣れることができるのが1番のメリットです。

【小学校受験絵画で必ず抑えておきたい絵】

小学校受験では、とにかく対策することが多いです。ペーパー、運動・体操・工作に面接…毎日毎日幼稚園から帰ったらすべきことに親子で追われてしまいます。
そんな中で絵画だけに時間をあまり割くことはできないのが現状でしょう。
とはいえ、どんなお題でも時間内に高得点をもらえるだけの実力をつけるにはそれなりの時間が必要です。
そこで、「必ず描ける絵」というものをいくつか持っておき、お題に合わせて得意な絵を描けるようにすれば、最低限の時間でも対応できる可能性が高まります。

必ず描けるようになっておきたい絵というのは、

①将来の夢の絵
②頑張っていることの絵(運動系、お手伝い系を各1つずつ)
③好きなことをしている絵

もちろん、上記の内容をそのままお題にしたものが出れば良いのですが、この3つが完成形で描けるようになっていれば、お題が変わっても応用することができます。

例えば、よく出る内容として
・人のために何か役に立つことをしている絵
→お手伝いの絵、将来の夢
・毎日していることの絵
→頑張っていることの絵、好きなことをしている絵
・1つだけ願いが叶うとしたらどんなことをお願いするか
→将来の夢、頑張っていることの絵(口頭でそれが上達する、などの説明を加える)好きなことをしている絵
・お休みの日によくしていること
→頑張っていることの絵、好きなことをしている絵

など、上記の①〜③に当てはめられることが多いからです。
学校側が絵画からも、その子供、家庭の日常が見られることをお題にすることが多いため、①〜③の絵を何度も反復練習し、どんなお題でもできるだけ①〜③に当てはめられるよう訓練すると良いでしょう。

また、考査の途中に学校の先生から話かけられることも多いです。
「これはどんなことをしているのかな」
「いつも誰と●●して遊んでいるのかな」
「この絵のようなことをする時に気をつけていることはありますか?」

このような質問にもスムーズに答えられるように、その絵にまつわるエピーソードなども親子で会話するようにしておくと良いでしょう。

【小学校受験絵画の家庭対策】

絵画は少しの時間でも「毎日」1枚ずつ描くことが大切です。
絵画考査は、かなり短い時間で仕上げをしなければいけません。それにはやはり反復練習で特定の絵を早いスピードで仕上げる訓練が大切です。

お勧めは「絵日記」です。特別なことがあった際はそのことを絵に描く、特に特筆すべき事柄がなかった日は、例の「抑えておきたい絵」の練習というように決めて毎日続けると、ひたすら言われた絵を描くだけではなく、「今日のこのことを絵日記に描こう」など、自らのやる気にも繋がります。

また、特に家族で体験した事柄や、自然と触れ合う場面などは、面接でも聞かれることが多く、絵に描くことで季節やその時の感情などが思い出として頭に残りやすく、
「夏にお父さんとお母さんと行ったところはありますか?」や
「春に見たお花や生き物は何ですか」などの質問にもより多くの言葉で語れるようになるメリットがあります。

この際、絵日記なのでエピソードも書いた方がよいですが、これはできればおうちの方が子供が口にしたエピソードを文字にして残すのが良いでしょう。
もちろん子供が書いても良いですが、小学校受験には「ひらがな」が特に出題されません。すらすら書けるお子様であれば良いですが、5、6際ではまだまだおぼつかない子の方が多いため、そこに時間を取ってしまうのは勿体なく、子供の思ったこと、感じたことなどはお母さんが簡単に文字にし、1ヶ月に1回など絵日記を振り返りするなどすると、更に記憶が定着するとともに、絵の上達が確認でき本人の自信にも繋がります。